早春の海の中
「美味しい食事と素晴らしい風景、このふたつを切り離すことができない」
世界の頂点に立つシェフ、フェラン・アドリアの言葉です。世界の頂点に立つレストラン、エル・ブリはコスタ・ブラハのカラ・モンジョイにある美しい入江の側にあります。
そして私は発見しました。
そのエル・ブリの庭からの見える景色はここ泉浜にそっくりだ、ということを。
素晴らしい景色のところには美味しい食材があるということも真なり。早春の海の中を覗いて見ましょう。
そこはジャイアントケルプのような海藻が生い茂る、海の森が広がっています。
生えたばかりの一番芽の新ワカメは、香り・旨み・甘み・食感が特に素晴らしいです。これを食べずして春に何を食べるか。
もし、フェランのエル・ブリが橋立にあったなら、早春のコース料理のメインにきっと新ワカメを使うことでしょう。どんな料理なのか想像するだけでワクワクしてきます。
全てのものを朱色に染める夕日が静かに沈みます。さてと、セリの時間だ。