潜水漁師が船長を務める石川県橋立漁港の遊漁船

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育てる漁業

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先日、水産環境整備事業の一環としてサザエ・アワビの人工漁礁造成地の位置確認のために、漁協と潜水組合が同行しました。

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沿岸の海の中の様子は潜水組合が一番よく知っています。サザエ・アワビの稚貝にとって、どの場所が生存しやすいところかを水産省と工事の請負業者の方々に説明します。とりあえず陸から人間(密漁者)が入れない場所が第一条件です。

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砂地と岩礁の割合や水深などを測ります。石やコンクリを運ぶ喫水が3.5mある積載船が、どこまで岸に近づけるかが、この事業のポイントです。なるべく浅瀬に稚貝の幼稚園を作りたいのです。

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稚貝が多くいる場所の続きに、さらに大きい人工漁礁を作ります。50m×200mの1ヘクタールのスペースの中に数千の投石と、穴や隙間がたくさんある、いわば稚貝の隠れ家になる漁礁を数百個投入します。

獲る漁業から育てる漁業への転換が大事です。漁師が手をかけないと、海の自然はなくなってしまいます。禁漁期間を設けて、産卵を促し、稚貝を放流し、密漁を阻止し、魚貝を保護さえすればたちまちに自然はよみがえります。

でもそれは、ある段階までです。ポイント・オブ・ノー・リターン。それを超えると絶滅、アウト、永遠に戻らない。

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そんな危機感を感じつつ、今日も漁師やセリ人達とのミーティングが続きます。

そんなこんなで、あと数日で底引き漁解禁です。2つの台風の接近が気になりますが・・

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