市場のカニの表示などなど
セリが始まる前はカニの選別で大忙しです。今回はコウバコの選別についてチョットご説明します。
魚箱には船名札が入っておりその下にカニの入り数が記入してあります。これだと一心丸のコウバコ20杯入りということです。
ちなみに入り数は10ハイ、20ハイ、30ハイ、40ハイ、50ハイという具合になっており、少ない入り数のほうがサイズが大きいです。サイズと値段は比例しており、贈答用で使うのは10とか20で、旅する魚屋で売るのは主に30入りです。
まともなコウバコの他にちょっとキズ系のコウバコも当然たくさんあるわけで、贈答には使えないけどご家庭で食べる分には全く問題がない、というものをご紹介します。
天1とは足が一本ないカニのことをいいます。足が2本ないのを天2、3本を天3・・全部ないのを・・恐い・・全般的に足のないカニのことを゛テンボ゛と呼んでます。
小指、つまり一番下の足がないカニのことを゛小指なし゛といいます。いろいろあったんか・・過去のことは聞かないよ・・・
シミのような斑があるカニをヤキガニといい、これは少しだけ斑があるから゛チョイヤキ゛。チョイ悪オヤジの流行でこんなチョイという表現を使うと推察します。
この背中に付いてる黒いブツブツ、なんだかわかります?
答えはカニビルです。元気なカニの背中に付くと言われてますが真偽のほどはわかりません。
これを気持ち悪いという理由でキレイに取り除いてから売るという業者の方もいますが、少なくとも橋立の魚屋はそのようなことはしません。カニビルを取ったズワイはヒゲを剃った乃木大将のようなもの、冬の食卓の王者としての風格がありません。
ワインの底のオリを見て気持ち悪いと思うのか、いや、これは歴史そのものだ、歴史を肴に飲もうと思うのか、ロマンチストの私はもちろん後者です。
東京のど真ん中のオフィスに特大ズワイの贈答、箸と皿とカニ酢を一緒に送ります。できれば私も一緒に行って捌いてあげたい。そして夜はフレンチかイタリアン、その後はバーに流れて泥酔したい・・・
小松や加賀の方なら捌いて配達します。
同級生の女の子(?)のお兄さんに、
「10㌔を50分切って走ったんだから戸井君もチョイランナーだよ。」
と褒められ(?)たチョイ悪でチョイランナーな私。いつかこのアスリートお兄さんと雌雄を決する日が来ると思います。
コメント
今日は魚の塾、とっても参考になりました。戸井さんもカニビル付きの小指なし、あたりですか?リーダーはちょいヤキかな・・
投稿者: リーダー | 2009年11月11日 18:41
リーダーさんへ
参考になるのかな? 馴染みの魚屋でこんな感じで実践してみてください。
「おい、アンカー、テンボでええしでけーコウバコくれや」
店員はドキッとして変なモノ売らないと思います。
リーダーさんはチョイヤキですか、
私はチョイエロくらいにしときますか・・・
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2009年11月11日 20:28