ロッコイ! ロッコイ! ロッコイ!
ロッコイ!ロッコイ!の大合唱、笛と太鼓の音頭、小学生から青年団までのかなりのハイテンションな一団が玄関前へやって来ました。橋立の勇壮な獅子舞です。トレランシューズ一足分くらいのご祝儀を渡して演舞が始まります。
ちなみにロッコイとは北前船の「櫓を漕げ」が起源らしいです。
全長約7M、体高約4Mの巨大な獅子です。ちょっとした恐竜並みです。
「シーシー・・・」と唸り声をあげ、時折激しく口を開け威嚇しながら間合いを詰めてきます。さながら腹を空かせたジョーズのような凶暴さを感じます。
絶体絶命の危機! 誰か助けて~
そこに現れた少年達、通称゛棒ふり゛。今から獅子を退治します。この赤い花は充分なご祝儀を支払った家のみに登場。いつもより多く舞ってます。
アクロバット的なこともします。その度に庭先は拍手と歓声が沸き立ちます。゛すごいぞ、坊主!‘
そろそろクライマックス、弱ってきた獅子にトドメをさします。
獅子の眉間に刀を一突き、勝負あった! 獅子はゆっくりと威厳を保ったまま、静かな撤退を始めます。
小学校低学年から、
大人(?)になるまでずっと続く獅子舞い行事、楽しくてしょうがないご様子です。町をあげて青年団を応援し、あり余るご祝儀で金銭的な心配もなく、思う存分張り切っている姿が清々しいです。
屋台など一つもないお祭りですが、ここまで情熱的で献身的なお祭りを見た事がありません。
普段の薄給の辛い生活からの脱却、宿でのドンチャン騒ぎ、町民の温かい眼差し、その一点、そのひと時に全ての力をぶつけ発散する若い力は見る者を惹き付けてやみません。
獅子の最中、道端で酔いつぶれて寝ている若者を肩に担ぎ、半ば怒鳴るような声で、
「ここで寝ていいんか! お前の祭りはここで終わるぞ!」
と叫んでいた若者の優しさと悲しさが脳裏から離れません。
なんか、オッチャン、涙もろくなってきたな・・