好きな仕事
昨日の旅する魚屋の最中に、沖で操業中の底引き船の船頭から電話がありました。
「ペラに網巻いてもうた。今から曳航して帰るし潜って取ってくっせーの」
数いる潜水士の中から私のご指名、ありがたいことです。答えはもちろん
「はい、喜んで!」
急いで仕事を終わらせ、潜水道具を車に積んで港へ向かいました。
ガッツリ巻いてますね。
レギをくわえてBCのエアーを抜いて潜降します。
まずはどのように巻いているか見極めます。切ってもいいロープと切ってはいけないロープがあります。
網自体のロープは切ってもいいが、網を繋いであるロープはダメとか、以前底引き船に乗っていた私じゃないとわからないことがあります。ただやみくもに切ると船頭に大変迷惑をかけてしまいます。
丁寧にナイフで切っていきます。水温は思ったより低くなく、6.5㎜のフルスーツで快適に作業できます。
チェーンも切断、撮影しながらの作業、まるでプロなみ?
切断終了、網が広がらないように回収します。
キレイに取り除きました。ひと安心です。
あとはペラの歪みや船底のキズなどを、わかる範囲でチェックします。
船底にへばりつく、私の吐いた行き場を失った空気、まるで私を見てるよう。美を感じます。
このあと船は網を積み替えて慌しく出港していきました。カニ禁漁になるまであと数時間、最後の賭けの始まりです。お互いの持てる力を充分に発揮できて爽快な充実感がありました。
こんなとき港に立ち、消え行く船を眺めながら、両切りのラッキーストライクなんか吸ったらカッコイイんだろうな・・ イチゴ味のハイチュウじゃカッコ悪いよね。
お弁当とかもいろいろ業者があるのに戸井鮮魚に声をかけていただいてありがたいと思います。
私にできることは、その期待に120%の力で応えることです。そしてブログをできるだけマメに続けることだと思います。それで救われる方がいるならとても嬉しいです。商売とか抜きで。
橋立のワカメ組合もご他聞にもれず、高齢化の波が押し寄せてます。私にできることはこの技術を継承して、次の代に渡すことです。次の代がいればの話ですが。
私の関わっている仕事の本質をしっかり理解して人から信頼されるよう、精進の毎日です。