雨の日の魚売り
朝、雨が降っているとため息がでます。雨の日の魚売りは憂鬱です。潜水漁師で水は好きなのですが雨はいただけない。うっとうしいです。
今日の泉の浜の様子、霧のような雨風が吹いてます。またシケてきそうです。
しかし、こんな雨の日の方が売り上げが良かったりします。お客様も雨の日にスーパーまで行きたくないのかな? チャンスタイムか?
4時間足らずの旅する魚屋の営業時間、これだけ仕込むのに8時間くらいかかります。毎日営業は無理、週4日が精一杯です。夫婦でこじんまりとやっていきたいです。
それもお客様との対面商売を続けていきたいです。インチキなしの真剣勝負です。このお寿司さんとは魚の取引きはありませんが、惣菜や干物などたくさん買っていただいております。忙しくて昼食や晩飯をつくる時間がないとのこと、たいへん重宝がられてます。ありがたいことです。
レストランや日本料理などのお店とは鮮魚の取引きをしていませんし、これからもする気がありません。
取引きの話も時々あります。もし、取引きすれば売り上げは飛躍的に伸びるでしょう。しかし、その代償として設備投資の増加、人件費の発生、支払い条件などのリスクも付きまといます。
そしていつしか、お金をまわすために、したくない仕事までしなくちゃいけない状況になり、自転車操業のジリ貧となるでしょう。悪い噂が流れそれを聞きつけた銀行が融資をストップ、そして倒産・・・
ちょっと暗く考えすぎかな? でも楽観するよりマシです。世の中、ウンザリするくらいこんな会社ばかりです。
カーポートのある家はとても楽です。雨でも関係なく快適です。
「あんチャン、今日、魚ええわ、惣菜みせてくれんか?」
握り締めた1万円が気になります。大人買いすることを期待します。
「あんチャン、ツルツルないんか?」
「あるよ、ツルツルってパスタのことやろ? 明太子にミート、どれにする?」
「ワテ、あれ欲しいわ、ヌルヌル」
「ヌルヌルってアンコウのことか? あるぞ母ちゃん、持ってけや。」
笑っちゃうくらいの擬音だらけの会話がですが、何不自由なく通じてます。
家に着くと発送と次の日の仕込みが待ってます。地味なルーティンワークが続きます。
格安キズ有りズワイガニとホウボウの昆布締めと赤カレイの干物とシロトラエビの詰め合わせセットです。
こんな詰め合わせ、欲しいでしょ? こんなのもらったら嬉しくて昇天すること間違いなし。
コメント
まだお若いのに
自分の人生を大切に、スローライフな生き方をしておられる事に何時も感心いたしております。
私など若い頃は高速道路を軽自動車でハイスピードで走り、もう少しでエンジンから火が吹きそうな生きかたをしてきました。
還暦を過ぎた今、自分に与えられた付録の人生をどう生きて行こうか???
結果、スローライフを楽しみたいと生まれ育った大聖寺に戻って小さなお店を開き片意地張らない商売を楽しんでいます。
商売というより道楽といったほうが良いのでしょうか(笑い)
今日のブログを共感して読ませていただきました。
商売の神様の恵比寿大黒さんは商売は魚を投網で一網打尽に獲るのではなく、1本釣りで必要なだけの魚を獲ることが商売の基本である。
そんな教えで釣り竿と鯛を持っていると聞きました。
資本主義社会は経済至上主義を生み、何かを忘れ大切な物が失われていくように思います。
今日はお母様から焼きたての美味しいケーキを頂きました。
まだ温もりの残ったケーキを早速スタッフといただき心も暖かくなりました。
ご馳走様でした!
本当にありがとうございました。
投稿者: RII | 2009年3月 7日 00:39
RIIさんへ
大学での専攻は経済、ゼミは中小企業論でした。
でもゼミでしていたことといったら、先に股間を握られた方が負けというプロレス(?)とか、ジャンケンチュッチュッゲーム(??)とか、泥酔者の体に油性マジックで落書きしたくらいですか・・・
あと教授が、あの頃細身でかわいい顔をしていた私に向かって、
「戸井君はまるでヤクザのようだ」
と言われたことが印象に残っているくらいかな。
机上の経済学なんてアクビがでるほどつまらないものです。生身の経済を学んだのは、10年前帰郷して父の会社の倒産劇を体験したときです。
父を死の淵間際まで追い込んだ銀行の所業、弁護士との財務整理、そして裁判・・・などなどナニワ金融道のような世界をじっくり味わってきました。
そして私は家族を支えるために底引き船の若い衆となりました。
これほど鮮烈でしびれるような経済学は大学では教えてくれません。大変だったけどいい経験でした。
私の生き方がスローライフかどうなのかわかりませんが、あの失敗はもう体験したくないという思いがあります。1回だけで充分でしょう!
恵比寿様の釣竿にはそんな深い意味があったんですね。
私はただ、釣りは金持ちの道楽、という意味かと思ってました。
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2009年3月 7日 14:03
良平先輩の何処か物憂げで落ち着いた考え方は、そのような深い経験からきてるんですね。
僕は商売人の息子として生まれたためか、すぐに事業拡大すれば利益が・・とか考えてしまいますが、それに附随するリスクの大きさにはあまり意識がなかったかもしれないです。(まあ今まで、そんな経験をする機会はなかったんですが。)
全然関係ないんですがこの間、日大の獣医学科出身の人が、日大にはウィッキーさんが居たって言ってました。。
投稿者: たつ | 2009年3月 7日 15:45
たつ君へ
私の物憂げ(?)で落着いた考え方(??)、多分それは冬の北陸特有の暗くて寒いウツっぽい天気がそうさせているのかな。
夏の天気の良い気持ちのいい日には今と全く違った考え方してるかもよ。
いずれにせよ、たつ君のような若い研究者には関係のない世界だし、まかり間違っても親の家業を継ごうなんて思わないことです。
ウィッキーさんて朝のテレビに出てた人? 日大にいたの?
そんなこと知らないし、関心ないな~
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2009年3月 7日 20:27
そうなんですか。
そういえば、あの時も少し雨が降ってたような・・。
ここまで長いこと学生やっておいて実家を継ぐことはないのですが、そのような生き方には憧れます!
僕も良く知らないんですが、たぶんその人だと思います。
日大で英語を教えてたみたいですよ。。
投稿者: たつ | 2009年3月 8日 18:56
たつ君へ
正月のあの時はかなりの二日酔いだったはず、おまけに朝で小雨が降っていたよね。
物憂げで退廃的な考え方になるのはごく自然なこと(?)
夏に来てごらん。超ポジティブシンキングになってるかもよ。とりあえず遠泳とジョグしなきゃね。死ぬかもしれないから気をつけること!
私のような生き方に憧れる?
私は飲み屋で無能な上司の悪口を言って騒いでいるサラリーマン達に憧れます。
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2009年3月 8日 21:55