戸井鮮魚は料理屋ではありません
ちょっと立ち寄った橋立の郵便局で、受付のお姉さんに、
「戸井鮮魚ってどこにありますか? ってよく聞かれるんだけど料理屋とかやってるの?」
と質問されました。お答えします。レストランのようなことはやっていませんし、魚屋としての店も構えてません。
あくまでも゛旅する魚屋゛です。セリ落とした魚を調理したり、惣菜にしたりしてお得意様のお宅を売りにまわる業務スタイルです。
でも、たまにですがセリのない週末などは料理屋の真似事をするときがあります。昨日は16名のお客様ご来店、トイジジと娘が通っている絵画教室の先生、生徒ご一行様です。腕がなります。
ビル・エヴァンスの美しいピアノの旋律を聴きながら、イメージを膨らませ料理を作ります。
コウバコと甘エビと真鯛の三点盛り、お皿はアンティーク、大正時代の古伊万里です。こんな高価な皿を使うのは山中温泉の「かよう亭」か戸井鮮魚くらいです(?)
目で楽しみ、味で楽しむ。大事なことです。九谷焼の濃い緑もいいですが、伊万里の暖色が北陸特有の鉛色の空と対比して、見ているだけで気持ちまで暖かくしてくれます。
同時進行でオードブルの注文もこなします。いつもはプラスチックの銀皿を使いますが、今日は年下のかわいい旦那様の誕生日とのこと、プラスチックじゃかわいそうです。長いオーバル皿に盛り付けます。
こちらは戸井鮮魚からのプレゼントです。いつもありがとう!お二人を尊敬しております。
スズキと甘エビのホイル焼きです。ニンニクバター醤油とお酒を少々入れて包みます。頃合をみてオーブンに投入。
お次は軽く干した赤カレイを揚げて、ピリ辛の甘酸っぱいネギソースをかけた一品。中華っぽい味付けです。
デザートは洋ナシのコンポートです。甘さ控えめで軽めの味付けですので、別腹で胃袋に吸い込まれていきます。
外は相変わらずの荒れ模様でしたが、暖かい部屋の中は湧き立つような笑い声に溢れてました。良かった、良かった・・・
橋立において、ここまでやる料理屋は戸井鮮魚をおいて他はありません。お客様大満足です。儲かっている、いないは別として・・・
でも料理屋の真似事は当分いいかな・・・ ちょっと休憩します。