夏の魚売り
食欲の落ちる夏場の魚売りは苦戦します。生魚は特に売れません。みんな暑いから料理する(焼く、煮るだけよ・・)のもイヤみたい。
わかりますよ、私だってソーメンをツルッと食べたいもん・・
でも、魚屋ですからソーメンを売るわけにもいきません。すぐ食べれる、刺身と焼き魚で勝負です。
宮城沖のサバです。2枚におろして串に刺します。
塩を振らずにグリルで焼きます。
このままでも美味しいそうだが、もうひと手間かけます。
醤油、みりん、砂糖などをブレンドした秘伝のタレです。いや、秘伝というほどでもないが、しいて言えば橋立の富士菊醤油じゃないとダメです。
ほんのり甘口な、漁師ご用達の醤油です。船のママ(食事のこと)で富士菊以外の醤油を使うと
「なんじゃ、このまずい煮付けは!」
とボソリ呟き、皿ごと海に投げられます。私がママ当番のときは富士菊1に対して水2の割合で煮付けをつくってました。みりんも砂糖も酒も使いません。だから時間のない船の上での必需品です。
ちなみに刺身のときはワサビより唐辛子の組み合わせの方がベストです。ベストというか漁師風です。
一回漬けて出来上がり。
一串350円、何本欲しい?
イワシは塩焼きにしよう。香ばしいな~ 大根おろしを添えて召し上がれ。
ヒラメのサクを昆布締めにします。
赤イカも皮を剥いてすぐに食べれるように。
昨日の晩から干しおいた大アジの一夜干しも胃袋をくすぐるでしょ? 我慢せんと食べね!
魚売りもルアーフィッシングも根底は同じです。違いは対象だけ。魚の活性が低ければ場所を変えたり、ルアーを交換したりあの手この手で鼻先のルアーを喰いつかせようとするように、魚売りも同じ戦法です。
釣り師っぽいこといっているが、でも私、釣りは好きだけどあまり上手くなかったような気がするな・・どちらかというとセンス無し・・・ とくにルアー釣りなんて最後いつしたっけ?
最近、本の中の出来事と実体験がごっちゃになって、それに輪をかけて妄想癖がひどく困ってます。
あの魚、開高健が釣ったんだっけ、私が釣ったんだっけ・・・ よく覚えてないな・・・
潜る気マンマンで海士のミーティングに顔をだすと、潮が速くて仕事にならないとのこと。今日は休みです。山崎豊子の本でもゆっくり読もうかな。