立志の集い 50分間ノンストップトーキング
橋立中学校 「立志の集い」が始まりました。
会場は準備完了、子供達より御父兄さんの方が熱気に包まれております。逃げ出したくなるが、ここはグッと我慢。
真ん中の方が橋立中の校長先生です。慇懃に挨拶を交わし私も所定の席につく。生徒と父兄さん達の鋭い視線を感じる。 Who are you? 私も落着きはらって、悠然とあたりを見回す。ここが勝負です。私は席を立ち、演台へ向かい、祝辞と挨拶を述べます。ここですぐに礼をしてはいけません。生徒及び父兄さん達が先に礼をしてから私もそれに続いてゆっくり礼をする。ここが大事なところ。アドバンテージは常に私が握る。
今日の演目は「人生に無駄なし」です。持ち時間は40分間。人生だなんて、大きくでたな・・。
まずはつかみが大事です。
「1971年生まれ、故郷はシチリア島のタオルミナで、故あって幼少の頃、小松へ・・・ボソボソ・・」
「・・・・・シーーン(すべった!)・・・・・・・・・・・」
「大学で勉強した記憶はございません。潜りすぎてすっかりアホになりました・・」
「・・・・・・・・(父兄さん達の厳しい表情)・・・・・・・」
「先輩からビンタされたら、一礼して「どーもありがとうござました。」っ言うんだよ、それとね、ビール一気するときは・・・」
「・・・・・(校長先生の顔が江頭2:50っぽくなってきた)・・・・・」
「スキー部の深井先輩がリフトから落ちたから、フカイダイビング、だって。アハハ、好きだな、身体はったギャグ」
「・・・・クス・・・・・クス・・・・・・」 ちょっとウケ始めてきたか?
「スポーツクラブのイントラだった頃、やってることはホストクラブと一緒みたいだったな。人気商売でしょ。笑顔で冗談いって、やさしく指導して、忘れてならないのがボディタッチです。お母さん方も若い先生にやさしくされると嬉しいでしょ?お父さん方も若い美人コーチに水泳指導されたいでしょ?」
「・・・・ウン・・・・ウン・・・(しきりに頷く父兄さん達)・・・」
「西表島ってどこにあるかわかる? うしろに座ってる○○君、答えてみー」
「・・・・(照れて顔が真っ赤になる)・・・・・・」
「何、照れてんだよ。そんなんじゃ、ナンパのひとつもできないぞー!ガハハハハ」
「伊達正宗は23歳で奥州を平定し、織田信長は27歳で今川義元を破りました。私は28歳で帰郷・・・」
「・・・・ア~フ(目の前に座っていた女の子が大あくびをした)・・・・・」
「大岡昇平はフィリピンで、開高健はベトナムで、戸井良平は底引き船で人生のターニングポイント・・・・ボソボソ・・・」
時計を見るととっくに持ち時間が過ぎていました。こりゃ、マズイ。強引に話をまとめよう。
「しかるに教育と経験は同義語でありまして・・・ボソボソ・・・、森のあちこちに倒れて朽ちるままになっている風倒木は゛ナース・ログ(看護婦の木)とよばれています。ナット トラッシュ、ゴミじゃないんですね。ナース・ログは森の湿気を保ち、苔を育て、川が氾濫するのを防ぐ。木が分解して栄養分を森に与え、キノコを育て、それを食べる虫、その虫を食べる鳥やネズミを育てる。一見、ゴミのように見えるけど、じつは大事で不可欠の森の看護婦なんですね。してみれば人の心にとってのナース・ログはなんでしょうか? 一見、ムダに見えながら実は栄養そのもの、なのではないでしょうか? なによりこれはムダを恐れず、嫌わず、ムダなものなど心にとって何もないと考えていいのではないでしょうか・・・・・ボソボソ・・・このことがわかるか、わからないかで将来大きく差がつくのではないでしょうか・・・ボソボソ・・・みなさん長い時間聞いていただいてありがとうございました。」
時計を見ると50分も話していました。ノドがカラカラになるほど喋りました。中2の皆さん、タメになったかな? 私の通ってるジムのコーチが、この日、父兄として参加していました。ジムで私を見るなり、駆けつけてきて
「いや~、おもしろかった! 120%の出来だったよ。ありがとう!」
と言ってくださいました。お世辞でもうれしく、なにやら胸のツカエがとれました。もう、2度と講演することはないだろう・・・
コメント
立志の集い 50分間ノンストップトーキング 面白く読みました。
いつもブログを楽しませていただいています。
知人の120%は実感だったのでないでしょうか。 いつも思いますがプロの講演より素人との一所懸命作り上げたものの方が面白いものです。学校も良い企画をしました。講演日の日にちがちがうのもとても面白い。これは冗談。
投稿者: りきまる | 2008年2月12日 20:14
りきまるさんへ
コメントありがとうございます。本日、お母様方から感謝の声をいただきました。恐る恐る、どこが良かったの? と私の方から聞くと「したいことが見つからないときは、とにかく勉強しろ。高校は進学校に行け。高校在学中でも見つからなかったら、大学へ行け。4年間の時間がある。じっくり考える時間があるぞ。勉強すればするだけお前は自由になるぞ。それでもわからなかったら・・・後は知らん。インドでもアラスカでも行ってヒッピーになるしかねぇーな。」
この言葉に息子が感化して勉強する意義がわかったらしいです。
良かった、良かった。
日付が違っているの、気がつかなかったなー。
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2008年2月12日 22:50
その後が、とても気になった数日でした。大役どうもお疲れ様でした。経験豊富な戸井様だからこその『公演』、私もその場にいたかったです。でも、ブログ、楽しく拝見させて頂きました。
投稿者: hananoya | 2008年2月13日 13:48
hanankyaさんへ
なんとか無事に終わってホッとしております。来年の立志式の講演はhananoyaさんを推薦しておきますので覚悟していてください(冗談!)
投稿者: 戸井鮮魚の良平です | 2008年2月13日 16:38