本日もシケです。
大陸からの強い寒気が入り込み、このところずっーとシケが続いてます。こういう日はとても内向的に過ごします。まず金沢のダイビングショップに行き、タンクとレギュレーターのオーバーホールの依頼をして、県庁側にある大型本屋で立ち読みして、気のきいたイタリアンで一人飯をして、スポーツクラブで1時間ランで汗を流す。この間ほとんど誰とも口を聞かず、自分の世界にこもる。商売のときは多弁なぶん、振り子のように、休日は無口になる、これで精神のバランスをとっています。
今日、買った本。村上春樹の内向的な世界とても好きです。とくに比喩が素敵です。どれくらい好きか?と聞く恋人に、
「春の熊くらい好きだよ」
「それ何よ、春の熊って?」
「春の野原を君が一人で歩いてるとね、向こうからビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊がやってくるんだ。そして君にこう言うんだよ。[今日は、お嬢さん、僕と一緒にころがりっこしませんか]って言うんだ。そして君と子熊で抱き合ってクローバーの茂った丘の斜面をころころと転がって一日中遊ぶんだ。そういうのって素敵だろ?」
「すごく素敵」
「それくらい君のことが好きだ」 (ノルウェーの森より)
野坂昭如は昭和5年生まれ、私の大好きな向田邦子や開高健と同年代の作家さん。病気もしたけどまだまだ現役、最後のカリスマ。
「ミッドナイトイーグル」 シケの海鳴りを聞きながらページをめくる。危険だ、おもしろすぎて仕事してる場合じゃなくなる。