目が粗い蟹網
ズワイガニ漁の網の話。エビ漁の網の目は人差し指と中指の2本が通るくらいに対し、蟹漁の網の目は子供のこぶしが通るくらい粗いです。そうです、狙いはズワイ、香箱蟹(メスガニ)のみ、あとの魚は眼中にありません。細かい魚は逃げてくんせーの。
網の目が粗いと船上での作業もチョー楽です。蟹とゴミしか入らないので、ササァーと蟹だけ選って終わり。
楽だわ、金はガッポリ稼げるわ、嫁さん喜ぶわ、子供に寿司食わせられるわ、などなど漁師にとって待ちに待った11月です。 「蟹場で返すから・・・」 といってお願いしてた飲み屋のツケや親方からの借金も全て返せます。
ここは船の心臓部の機関場、エンジン一台の値段は庭付きの家一軒分(もちろん新築)くらいします。恐ろしくパワフルでタフなエンジンです。
ブリッジ内は魚探、レーダー、GPSなど計器類がズラリ並びます。舵も指一本で操作できます。しかし、これらの計器は必需品ですが、どこで網を落とすかは船頭のセンスと器量と経験に頼るところ大です。
初凪の水揚げがコケたら若い衆の士気が萎えてしまい、船頭の言うことを聞かなくなります。まずは大漁を祈るのみです。
船頭衆は身体はあまり使わないが、神経をすり減らします。ストレスによる食べすぎ、飲みすぎ、睡眠不足で最後はほぼ全員、成人病になります。この世に楽な商売などない。