時期はずれのアンコウ
旬は冬、肝の大きくなったアンコウを鍋にして、胸ヒレあたりのゼラチン質な肉をずるずる食べながら、冷酒をクイっと胃に流し込む。ふと外に耳をやると北西の強い風が吹きつけ、遠くのほうで狂ったような海鳴りが聞こえる。
「でかいシケだ。当分、漁はないな。」
鍋はもうもうと湯気をあげ、小さなガラス戸を曇らせる。ラジオからは物憂げなシャンソンが流れている。
そんなどうでもいい話はおいといて、こちらがアンコウ。
最近持っていく魚がマンネリ気味。ちょっと旬ではないけどアンコウなどいかが?
今日は27℃、夏みたいですが鍋なんかどう? さぁ、売れるかな。
ここから先はアンコウの解体。グロテスクなので心臓の弱い方は見ないでください。
アンコウの吊し切りが有名ですが、船の上で覚えた捌き方でいきます。アンコウをよく洗い、尻尾を切り取る。お腹の肝を傷つけないように取り出す。胃袋も食べられますが掃除が面倒なので捨てます。
胸ビレと、鋭い歯がある口全体を切り取ります。口は捨てます。あとは適当な大きさにぶつ切りします。
一口サイズの切り取ったらパック詰めします。ズッシリ重いです。
プッシュ、プッシュで完売しました。良かった。