潜水漁師が船長を務める石川県橋立漁港の遊漁船

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エビ地獄

 先日、宝勝丸はエビが大漁でした。沖でエビを選りきれず、着岸しても黙々とエビを選っています。若い衆はへばりきっていて、目が死んでいます。ちょっと写真撮らせてくんせーの。時々、私のところにエビが飛んできます。私をけん制しているのか? おいバカ、や、やめろ~。

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冷水機水槽の中に入っているエビをザルですくって、ハッチにぶちまく。

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それを一匹一匹、丁寧に選別する。これがエビ漁の嫌なところ。とにかく時間がかかる。時間がかかりすぎると、エビが白くなり値が下がる。カニ漁での大漁はとてもうれしいが、エビ漁の大漁はちょっとね~、という感じ。

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若い衆の目線から見たエビ。これを48時間、立てひざの姿勢でほとんど休まずやる。
 あなたは耐えれるか?!

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デッキにはゴミであふれかえります。ゴミといっても魚なんですが・・・、商品にならないものは全て捨てます。よく見ると・・・

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エチゼンクラゲ、ミズウオ、名無しの魚、ちぎれたエビ・・・・、海に捨てるとカモメの大群が船を取り巻きます。

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右に立っているのが船頭、エビを選っている4人が若い衆、計5名で仕事をしています。若い衆の平均年齢は30才の前半です。みんな若いです。というか年寄りにはできないハードな仕事です。私が乗っていた頃もたまに40才を越えた方が乗ってきましたが、だいたいは続きません。私も無理に引きとめはしません。辞めたほうがあなたのためだよ、とかえってアドバイスするくらいです。身体を壊すのが関の山です。
 このあと、陸でエビを魚箱につめてセリに出荷。宝勝丸は氷を満載して再び暗い海に出漁していきました。漁場に着くまでに300個くらいの魚箱に氷を詰めます。そして食事、それが終わると、不寝番でブリッジで衝突防止のためのワッチ(監視)をしなくてはいけません。もう、眠くてフラフラです。若い衆よ!うつにならないよう気をつけろ!

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