月の光
6月中は岩牡蠣と岩モズクの採捕だけなので、潜水も1~2時間で終わります。おまけに今年は岩モズクがまったく生えてないので残念です。あのコリコリした歯ごたえのあるモズクはどこへ行ってしまったの・・。
単独潜水は危険ですのでみんなかたまって潜ります。たまに水面で会話しながら安全の確認をします。
いい場所にあたると、一時間もかからず仕事が終わります。すぐに家に帰ってもつまらないので(?)、みんな好きなことをして遊んでます。スズキ釣れるといいね。
私は泉の浜でフィッシュウオッチングしてきました。この時期、黒潮に乗ってやってくる熱帯魚、いわゆる死滅回遊魚(越冬できない魚)を観察してきました。チョウチョウウオ科やスズメダイ科の魚がたまにいたりします。
岸に近くて、浅くて隠れやすい岩や根があるところにいることがあります。ここは無人のビーチ、岩陰などに幼魚がたくさんいました。熱帯魚を発見するとドキッとします。学生時代、西表島で過ごした日々の思い出したりして、まるで昔の友達にバッタリ会ったような気がします。
「おっ、良平、ひさしぶり!あいかわらずバカか?」 そんな声が聞こえてきそうです。
そんな南方系の魚で好きだったのが、ウミズキチョウチョウウオ。体の真ん中付近にある白い輪郭の黒点、夜のツキのようですね。そして白い2本線、これは白い砂浜のウミでしょう。なんとロマンチックな魚なんでしょうか!小笠原のナイトダイビングで聞いたザトウクジラの鳴き声、座間味で見た、満月の夜の珊瑚の産卵・・・、月光に照らし出された思い出が駆け巡ります。
奥野いずみさんのグラスにも月が輝いてますね。ベベウ・ジルベルトのボサノバをBGMに、ただボンヤリ眺めていたいグラスです。
「月は消える、ふたたび明るむために。 月は死ぬ。再生するために」
ポール・ゴーギャン